激動の昭和史 沖縄決戦

翻訳
著者
原題
★★★★
出版社
公開/出版日
Jul 17, 1971
監督
岡本喜八
Type
film
Date
Oct 15, 2021
こういう悲劇的結末がわかってる映画って見るのが辛いなあ…と思って長らく見ることができず、しかし見ておかねばなるまいと意を決して見て、果たしてやっぱり辛くなってしまった映画。
かの庵野秀明はこれを100回以上見たとインタビューで答えてたけど、ううむ、どんなにカット割やテンポ、レイアウトが良くて好きでも、内容の辛さに引っ張られて何回も見ることはできないな、私は…。
なんていうか、この時代の映画全般的にそうかもしれないけど、昨今のキレイなCGでは出せない生々しさがすごい。リアルさで言えばCGの方がリアルにできるし、時々使われる特撮はどうしてもチャチに見えるたりするんだけど、なんでしょうね、あの肉薄する感じは。見てるだけで痛い。とにかく痛い。
でも、この映画は公開時に沖縄県民からはあまり支持を得られなかったらしいんですよね…。こんな生ぬるい映画は許容できん、と。
うん……。そうですよね。現実がもっとひどかったことは想像に難くない。それでもやっぱり、この映画は撮られるべきだったし、撮られてよかったと思う。
物語的には、「日本のいちばん長い日 」でも思ったんですが、バカヤロウの一言に尽きるかなと。
本土は沖縄を見捨てるし、軍は下っ端や民間人を見捨てる(もとい積極的に殺す)し、そのくせ将校どもは勝手に格好つけて自決なんかしやがるわけですよ。心底アホかと。軍のヒロイズムなんか知ったこっちゃねえぞと。家父長制のロマンにどっぷり浸かったバカどもは、死ぬ場所も死に方も選べずに亡くなった人たちのことも、この戦後を生きていく人のことも、なにひとつ考えちゃいない。つくづく腹が立つ。
戦いが終わった後、静かになった沖縄の海や森の平穏さと、血に染まる海の対比が実に虚しい。ずっと戦場を彷徨ってた孤児が、最後に海岸で拾った(…というかまあ死体が持ってた)水筒の水を飲む、という演出はベタではあるけど、ベタは大事。
 
役者さんとしては、仲代達矢のギョロ目がよかった。白目がちの目って目立つのね。
田中邦衛もいい味出してた。四角四面の軍人の中でフニャフニャの床屋さんはナイスなアクセント。割と「お国のために!」とか唾飛ばすようなキャラなのに、田中邦衛がやるだけで不真面目な雰囲気が出るのが面白い。……ただの思い込みだろうか。
あと、どこかで見たことある人が将校やってるなと思ったら、小津の「早春 」で主演してた池部良だった。あの人は軍人やってもオールバックなんだな…。そして相変わらず涼しげ。さすがだ。でもwiki読んだら、この人は戦地で相当苦労していて意外だった。