中村直人 モニュメンタル/オリエンタル
会場:目黒区美術館 会期:2023年7月15日-9月3日
初期には彫刻、戦争もの等を経て戦後パリで画家として名を成した中村直人(なかむら なおんど 1905ー1981)の企画展。
渡仏後の東洋的なガッシュ作品が個性的で良かった。意識的なオリエンタリズムなのかもしれないけど、人間を仏像的に描く感じは嫌いではない。赤と、独特のバランスの悪さがちょっと気持ち悪くていい感じ。靉光の蝋画を少し思い出したりする。
ただ、晩年の絵は好きではない。マチエールがちょっとうるさいし、すっかり絵が落ち着いて、特に女性の裸体画はいただけない。すごい変な言い方だけど……「なに女に甘えてるんだよ」みたいな気分になる。なんかこう、女に過剰に期待してるというか、女を人間と思ってないというか、なんとも身勝手な印象がある。フジタが描く白い女たちもそうだし、女を物言わぬオブジェか何かだと思ってんのか?と穿って見てしまう。
とはいえ、猫が(たぶん)好きだったり、トリとバイオリンが合体した謎の像とかは、おかしみがあってとてもよかったです。
目黒美術館は午後だけだけどボランティアスタッフの方が運営しているカフェもあって素敵な美術館でした。区内の福祉作業所で作られたクッキー(すごくおいしい)や、展示に合わせたおやつなんかもあって超おすすめ。
(2023年8月19日観覧)