実家から車で10分くらいの所に古びた製麺所があった。車道に面した店のオモテには「うどん」ではなくて「治療院」の看板があって、裏の庭先に「玉うどん」と書かれてた大きな看板が立てかけられていた。

元はそうめんを作っていたというそのうどん屋のうどんはツルツルした細麺で、ものすごく長いのに全く切れない不思議な麵だった。おそらくそうめんと同じように胡麻油が入っていたんじゃないかと思う。

うどんは醤油うどんと、出汁醤油うどんの2種類。割り箸は何回も洗われた使い古しで、ネギは自分でハサミで切る。衛生的かと問われると甚だ疑問だし、いわゆる「讃岐うどん」的な腰の強さや麵のエッジはないんだけども(そもそも「讃岐うどん」ブランドなんてここ15年とか20年程度のものだし…)、おばあちゃんのアクの強さと態度の悪さ(失礼)、店の怪しさも含めて嫌いじゃなかった。

実家に帰る度にまた行きたいなと思っていたのに、調べてみたらもう4年も前に閉店してしまっていた。

行きたいところは行きたいと思ったときに行かないといけない。

画材:鉛筆、Photoshop